地域のワクワクする起業家を取材する 学生記者部が始動! Style note 更新中!!

福知山公立大生がクラウドファンディングに挑戦!「おいしい!で社会を変える」オリーブフィナンシェ開発~記者会見レポート~

学生記者の真嶋です!

現在、学生団体「GrowSpiral」により、NEXT産業創造プログラムの一環として企画されている「オリーブフィナンシェ」のクラウドファンディングが実施されています!

クラウドファンディングは「障がい者がつくる、おいしいフィナンシェを届けたい!学生と就労所の挑戦!」というタイトルで最初に設定された30万円、ネクストゴールとして設定された50万円、サードゴールとして設定された70万円を達成し、現在は100万円という金額を目標にクラウドファンディングプラットフォームである「CAMPFIRE」にて、2026年1月15日まで行われています。

先日、このプロジェクトについての記者会見が行われましたので、今回はその様子をレポートします!

クラウドファンディングページはこちらから!

目次

多くのメディアの関心を集めた記者会見の開催

記者会見では、「今回のプロジェクトの中心であるGrowSpiralについて」「今回のオリーブフィナンシェプロジェクトに関する説明」「商品開発にかける思い」「クラウドファンディングをはじめとした広報戦略について」「NEXT産業創造プロジェクトについて」などプロジェクトに関わる話をメディアに向けて発信しました。今回参加されたのは、「両丹日日新聞、毎日新聞社、読売新聞、(株)北近畿経済新聞、朝日新聞社、京都新聞社、日本農業新聞」様です。多くのメディアの皆様にご参加いただきました。

学生の問いから始まった、地域課題への挑戦

まず、GrowSpiral代表である有年楓斗さんより、GrowSpiralについて語られました。

「GrowSpiralは、2023年度NEXT産業創造プロジェクトをきっかけに、株式会社Lifexiaのイントレプレナー事業として立ち上がった学生主体のプロジェクト団体です。

今回取り組んでいるB型就労施設の課題解決を目指す「オリーブフィナンシェプロジェクト」は、B型就労施設の全国の平均工賃が時給243円と低いことに大学生が強い問題意識を持ったことから始まりました。

美味しい商品を通じて、社会課題に触れる機会を提供し、『学生であっても地域の産業づくりに関わることができる』という経験を重ねてきたことを生かしながら、B型就労施設の質の高い仕事に見合った価値を届けることを目指しています。」

(CAMPFIREより引用)

「おいしい」から始まる学生主体の社会づくり

続いて、今回のプロジェクトのプロジェクトリーダーである林昂佑さんよりプロジェクトを立ち上げたきっかけについてが語られました、

「活動のきっかけとなったのは、GrowSpiralのメンバーが大学主催の交流会に参加した際にB型就労所の工賃が全国平均243円である現状を知ったことです。しかし、実際に店を訪れると提供されたアイスやパンはとても美味しく、作業や接客も丁寧で、質の高い仕事が行われていることが伝わってきました。一方で、その良さが十分に社会へ届いていない現状を知り、大きな違和感を覚えました。

「これだけ丁寧に作られているのに、なぜ評価につながらないのか」

その違和感が、このプロジェクトを進める原動力となりました。

プロジェクトでは、商品が1つ売れるごとに30円を積み立て、B型就労支援施設で働く方々に直接ボーナスとして還元する仕組みを取り入れています。特別な支援ではなく、日常の中で「おいしい」と感じる体験が、そのまま応援につながる形を目指しました。社会課題にあまり触れる機会のなかった方にとっても、気負わず知っていただけるきっかけになることを大切にしています。」

手に取った瞬間から、おいしさと想いが伝わる商品づくり

商品開発については太田凜成さんより、パッケージデザインの面を中心に語られました。

「商品開発の点では、商品を手に取った瞬間に背景やストーリーが伝わることを大切にし、パッケージデザインから味づくりまで一貫した点を大切にしています。

箱には、学生が実際に収穫に訪れたMAEDA OLIVE FARMの風景をそのまま箱のデザインに込め、奥京都らしい落ち着いた雰囲気や色味を意識して仕上げました。ギフトボックスには、海外の方にも日本らしさが伝わるよう麻の葉模様を取り入れ、箱の中のフィナンシェのパッケージには市松模様を用いています。手に取った瞬間に、「どんな場所で」「どんな人たちと作られた商品なのか」が自然と伝わるよう工夫しています。

フィナンシェの開発では、「おいしさ」を何よりも大切にしてきました。協働しているB型就労支援施設「あまづキッチン」では、日々の業務の都合上、試作を何度も重ねることが難しい状況がありました。そのため、学生が中心となって試作を行い、施設の方々と相談を重ねながらレシピを少しずつ形にしていきました。また、オリーブ農園で未活用となっていた残渣物にも着目し、資源を無駄にしない商品づくりにも挑戦しています。

開発当初は、残渣物に含まれるポマース特有の苦味が強く、思うような味に仕上がりませんでした。しかし、イベントや試食会で寄せられた声を参考に改善を重ね、パティスリー&カフェのパティシエの監修を受けながら、キャラメルソースの使い方や焼き加減を細かく調整しました。その結果、オリーブの残渣物という未活用材を使いながらも、「おいしい」と感じていただける味に近づけることができました。地域の方々と連携しながら、味もデザインも丁寧に磨き上げてきた商品となっています。」

背景と想いを伝えるクラウドファンディングの取り組み

クラウドファンディング・広報戦略については濱本菜那さんより語られました。

「広報の一環として行っているクラウドファンディングでは、プロジェクトが生まれた背景や、B型就労支援施設で働く方々の工賃をめぐる現状について、できるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。オリーブフィナンシェを開発するまでの試行錯誤や、施設の方々と一緒に商品づくりに向き合う中で感じた思いを通して、単なる商品紹介ではなく、「なぜこの取り組みを行っているのか」「どんな未来を描いているのか」を共有できる構成としています。

リターン品については、支援者の方がご自身に合った形で参加できるよう、6個・12個・24個のフィナンシェセットを用意しています。また、オリジナルトートバッグやTシャツの販売も予定しており、購入金額や支援スタイルに応じて、応援の仕方を選んでいただける仕組みです。「おいしいものを楽しむ」という日常の行動が、工賃の向上や資源の循環につながることを目指しています。」

地域資源を学びにつなげるスタディーツアー企画

NEXT産業創造プロジェクト受講生である妹尾隆玖さんからは、現在取り組まれている地域資源活用スタディーツアー企画について語られました。

「地域資源活用スタディーツアーは、福知山・綾部エリアの地域資源を活かした体験型ツアーで、観光客の減少や地域資源の活用不足といった課題に目を向けています。北近畿には、グンゼをはじめとする産業遺産や文化資源があり、これらを学びの場として活用できる可能性があると考えました。

ツアーの企画にあたっては、実際に福知山や綾部エリアに足を運び、参加者の視点を大切にしながら内容を検討しました。高校時代の修学旅行を振り返り、ジャーニーマップを作成するなど、体験の流れを丁寧に設計しています。現在は、モノづくり体験を中心とした参加型ツアーとして、大江高校・福知山高校・綾部高校で実践できる段階まで準備が進んでいます。」

「おいしいで誰かの明日を変える

B型就労支援施設では、障がいのある方々が丁寧な作業で高品質な商品を生み出しています。しかし、その価値は十分に評価されず、工賃だけでは生活の安定につながらない現状があります。

だからこそ就労施設の方々と手を取り合い、「社会貢献」ではなく、「おいしい」を起点に、この現状を変えることに挑戦していきたいという想いが込められています。

この想いを形にするプロジェクトは今この瞬間も動き続けています。ぜひクラウドファンディングでの応援のほど、よろしくお願いいたします!

編集後記

今回の記者会見を通して、「学生だからこそできる関わり方がある」ということを改めて実感しました。
社会課題は難しく、どこか遠いものに感じがちですが、「おいしい」という身近な入口があることで、誰もが自然に関心を持つきっかけになるのではないかと思います。

オリーブフィナンシェプロジェクトは、地域の人、就労支援施設、そして学生が同じ目線で関わりながら、一歩ずつ形にしてきた取り組みです。この挑戦が、多くの人にとって「知るきっかけ」となり、次の行動へとつながっていくことを願っています。

〈執筆者〉福知山公立大学 地域経営学部 地域経営学科 2年 真嶋優妃

シェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次