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「お家以上、図書館未満、」~学生ベンチャーが目指す地域のコワーキングスペースづくり~

今回、合同会社Gel-banana様のTunaga Room について代表の服部さん、副代表の石原さん、経理の園田さんに取材させていただきました!合同会社Gel-banana様の Tunaga Room は、福知山の新町商店街で「お家以上、図書館未満」というコンセプトのコワーキングスペースを運営する事業です。インタビューでは主に代表の服部さんから、事業に対する思いや考えをお聞きしました!

目次

~合同会社Gel-bananaとTunaga Roomについて~

合同会社Gel-bananaとTunaga Roomについて教えてください。

服部さん:合同会社Gel-bananaは、「AIサークル」で活動していたメンバーと2024年7月26日に立ち上げました。今日(2025年6月26日取材日)でちょうど11ヶ月の記念日です!その中でTunaga Roomは2025年5月にプレオープンしました。8月を目処にグランドオープンを目指しています!

メンバーは代表、副代表2人、経理1人、広報2人、新しく加入した3年生1人の計7人です。

~事業内容について~

Tunaga Roomとはどんな事業ですか?

服部さん:会社の経営理念が「AIの技術や知識で地域に対してソリューション・イノベーションを起こす」であり、元々ノウハウのある人を対象とするよりかは、やりたいけどわからないという地域の人を対象としてイノベーションやソリューションを起こしていくという、”IT系だけど地域密着“を基盤に活動しています。

事業を始めたきっかけや思いについて教えてください。

服部さん:元々AIについて学びそれを対外に発表するという機会はあったのですが、AIを用いて何かをするというアウトプットの場が無かったんです。アウトプットって、自分の能力や知識をただ相手に教えるだけじゃないと思うんです。僕らがほしかったアウトプットの場というのは、自分の力を最大限試せる実践の場のようなものだった、ということで始めてみようと思いました。また、街のDX化が難しいという壁を僕らが壊す、橋渡しになるというニーズも感じたため始めました。

「お家以上、図書館未満、」というコンセプトにはどんな思いが込められているのですか?

服部さん:「○○以上、図書館未満」というところまでは出ていて、「お家」というワードは経理の園田が決めてくれました!僕の家は自分の大好きなモノに囲まれていて注意が散漫しちゃって、全然勉強に集中できないんです。だからといって、図書館はちょっと相談したりもできないし、堅いから何か違う、みたいな。こんな僕みたいな人って他にもたくさん居ると思うんですよ。そこでコワーキングスペースという事業を思いついたんですけど、地域の人は「コワーキングスペース…?」みたいにあまりなじみの無いような感じだったんです。そういう人たちのために、コワーキングスペースがどういうものか、パッと理解してほしいという思いを込めてこのキャッチフレーズにしました!

新町商店街という場所を選んだ理由は何ですか?

服部さん:まず一つは、僕がこの場所が空いているという事を知っていたからです。そして、そもそも僕たちがやりたかった事は、地域に密着した事業でした。その点、新町商店街は地域に根付いた場所でした。そしてここ人がよく通るんですよ。地域の人が生活している中にここはあったので、そういった点に僕らは魅力を感じてこの場所に決めました。

すごく落ち着く空間ですが、この空間を作るために意識したことは何ですか?

服部さん:元の建物の素材を全部作り替えるのではなく、“そのまま“を大切にしました。建物の雰囲気に合わせるために、家具などは木材×黒を基調としたものをいろんなところから集めてきました。やっぱりコワーキングスペースって空間を売るところなので、インテリアにはこだわりました。

Tunaga Room利用時の様子

このコワーキングスペースをどんな方が利用されていますか?

服部さん:バラバラですね。ふらっと立ち寄ってコーヒーだけ買って行かれる人や、出勤前に少し作業をする人、学生の方ではミーティングなどで利用してもらっています。

現在の実績やどのような利用方法があるのか教えてください。

服部さん:今はまだプレオープン期間なので、いろんな人に知ってもらえるような認知拡大の機会があることが実績ですね。そのための目安箱の設置などを行っています。Kokomore(学生団体DOKKOが主催する新町商店街を会場としたマルシェ)や花火大会の日には、Tunaga Roomを貸し出して店舗として利用してもらう予定です。

石原さん:設備の実績で言うと、電気、水道、Wi-Fi、プロジェクターなどの環境は、理想の状態に整えることができましたね。学生の方のミーティングの際にはプロジェクターを利用してもらっています。

新規クライアントの獲得はどのように行っていますか?

服部さん近日、クラウドファンディングを始められるように動いています。極小スペースのテナントの貸し出しというコワーキングスペースの空間を利用したフィードバックを予定しています!他にも意見箱を設置したり、公式ラインで学生カルテに答えてもらったりしています。

始めやすさ追求!手のひらサイズのテナントサービス『ハコカラ』を展開します!! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)より引用

「学生カルテ」とは何ですか…?

服部さん:ちょっと難しいアンケートですかね。このコワーキングを利用する学生のデータを集めて、今後のエビデンスとして活用していきたいと思いやっています。中には就活に関する設問も入れてあって、今後新しいことに活用していきたいと思っています。

学生ベンチャーに立ちはだかる障壁とメッセージ

プロジェクトを始めるときに苦労したことは何ですか?

服部さん:1番は金銭面ですね。「合同会社Gel-banana」の前身となったAIサークルでは、大学から年に5万円サークル費が支給されていましたが、起業するとなるとそのような支援は望めないし、むしろ維持だけでどんどん支出が増えていきました。本当に、どうしてあんなにお金かかるんですかね(笑)でも、仲間集めには全く苦労しませんでした。例えば副代表(石原さん)とは入学式で意気投合して今まで仲良くしているんです。

石原さん:僕も学校の階段で出会ったことを覚えています!「教室ってどこですかね~」って話しかけられて!

皆さんすごく仲が良いのですね。学生のみで運営されていますが、学生ベンチャーの前に立ちはだかる最大の障壁は何だと思いますか?

服部さん:最大の障壁は良くも悪くも「学生」という立場ですね。どんなに頑張っても「学生」という枠から抜け出せません。こちらは1企業として扱ってほしいと思っても、社会人の方からすると「結局学生でしょ」と思われてしまい、対学生の対応をされることがありました。大人にはしない扱いを受けて悔しい思いをしました。

起業したにも関わらず学生扱いされてしまうのは悔しいですねそういった苦労をたくさんされていると思いますが、この事業を通じて、現状でご自身が成長したと感じている点はどのような点ですか?

服部さん:成長した点はたくさんありますが、1つ挙げるとしたら、人に仕事を任せられるようになったことです。AIサークルだったころは、自分一人でやった方が、仕事が早く済むと考えていました。でも、一回それで失敗したことがあったんです。その時に仲間たちが「もっと仲間に頼ってくれ」、と言ってくれたおかげで、仲間と協力する大切さに気付きました。人を信頼して任せることでその業務の精度が向上しますし、もしものときのリスク分散もできます。ワンオペでは超えられない壁をみんなと超えられるのが今は面白いです。

仲間との信頼関係、とても素敵です。それでは、学生が起業に取り組む意味はなんだと考えますか?

服部さん:学生の身であれば、起業という大きな挑戦もローリスク・ハイリターンで行うことができます。学生には仮に失敗しても人生が終わることはない環境が整っています。だから、失敗してもリスクが無い、しかしチャレンジは出来るという最高のメリットがあるんです。

確かにそうですね。この事業によって地域企業にどのようなメリットがあるのでしょうか?

服部さん:今作ろうとしている、棚型の貸し出しテナントが完成すれば、そのスペースに広告を安く出せるようになります。福知山に4年住んでいても未だに「こんないい店あったんだ」、と気づくことが多いんです。おそらく規模の小さい企業は広告を出したいと思っても出せない葛藤があります。そこでこのTunaga Roomの貸し出しテナントを利用してもらい、広告を出すことで、そんな素敵なお店を利用者に伝えることができると考えています。

貸出テナント“ハコカラ”完成予想図

早く広告で素敵なお店を見つけたいです。将来展望についてお聞かせください。大学卒業後の運営はどのように行うつもりですか?

服部さん:今のメンバーはほとんど就職が決まっていて、大学院に進む二人以外はいなくなってしまいます。だから現在は後輩を育成中です!でもとりあえず自分たちの卒業までにはビジネスモデルを作っておきたいです。理想は半無人での営業です。また、いまのところ代表受け継ぐつもりもありません。やっぱり自分で立ち上げたものだから愛着があって(笑)。これからの目標は運営のサイクルを完成させることです!

―最後に、起業にチャレンジしたい・何かに挑戦したいと思いながらも一歩踏み出すことが出来ない若者に向けて、伝えたいことはありますか?

服部さん:うわ~恥ずかしいですね!!! (笑)でも、なんでやらないの?という風には思います。先ほども言った通り学生の間であれば低リスクで始めることができます。その立場を最大限利用して経験を積むことが何よりも大事だと考えます。好きな言葉があるのですが、「沈黙は損失」という言葉です。これは何もアクションを起こさないことは±0なんじゃなくて、ドマイナスという意味です。「やりたいことがあるならやろう!!」そう思います!

~合同会社Gel-bananaの“ここだけ”話~

会社名Gel-banana…。「バナナが好きなのですか?」

服部さん:この名前の由来は、あるアニメのワンシーンから来ています!メンバーみんなが好きで見ていたアニメの言葉をもじってつけました。最初はもうちょっと違う名前だったんですけど、すでにその名前の会社があって…笑。最終的にこの名前に落ち着きました。だからバナナは好きだけど、バナナが語源ではないです!

クラウドファンディングのご支援よろしくお願いします!

Tunaga Roomの新サービス「ハコカラ」を提供するクラウドファンディングはFirst goalの支援額25万円を達成し、現在はFinal goalの100万円を目標としています!リターン品は“ハコ”のレンタル利用権利や、ハコカラ人気作品が届く“つながりブースト支援”など様々な形で用意されているので皆さまぜひ一度ご覧ください!筆者はつながりブースト支援させていただきました!

編集後記

初めての取材で緊張していましたが、暖かな雰囲気のおかげでリラックスして取材をすることが出来ました!今回の取材で、特に服部さんの「やらないことはプラマイゼロじゃなくてドマイナス」という言葉が印象的でした。私は何か新しい事をするときについ引いてしまう癖があるので、今後何か新しい事に取り組む際にはこれを参考にして積極的に取り組んでいこうと思います。 (湯浅)

〈執筆者〉福知山公立大学 地域経営学部 地域経営学科 2年 湯浅脩子、高見まゆり

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