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Style note 09:リスナーズ株式会社 LISTEN副編集長 堤 真友子さん〈ライターとして、編集者として働くということ〉

今回、リスナーズ株式会社からのご紹介のもと、フリーライターである堤真友子さんにインタビューをさせていただきました!株式会社リスナーズは、組織同士が‘‘共感”でつながるコミュニティづくりを目指し、書籍の出版やデジタルメディアによる発信を行っている会社です。圧倒的な取材実績により「聴くこと」に特化した事業モデルを構築しています。私たちstylenoteの活動とつながる部分があると考え、今回インタビューを受けていただくことになりました!インタビューではライターの先輩である堤さんから、ライターとして、またインタビュアーとしての心得をお聞きしました!

「聴く」そして「書く」という仕事。

堤さんが現在行っている仕事について教えてください。

堤さん:フリーランスライターとしてリスナーズをはじめとするウェブメディアや、雑誌・書籍に掲載する記事の取材と執筆を行っています。主にビジネス・医療・エンタメ領域の記事を書くことが多いです。企業からオファーを受け、取材対象者や企業のリサーチから始めて、取材・執筆へと進めています。また、リスナーズでは編集者として他のライターさんが書いた原稿の編集や掲載前の最終チェックなどの業務にも携わっています。

なぜライターとして働くことになったのですか?

堤さん:新卒で入った人材会社で営業を経験した後、制作部署へと移動になり、ライター業務を担当することになったのが始まりです。フリーランスで活動するきっかけとなったのは出産です。正社員として決められた時間で働くのではなく、今までの経験やスキルを活かしながら、子育てにも力を注ぐバランスのいい形がフリーランスのライターだと考えました。

リスナーズ株式会社ホームページより引用https://listeners.co.jp/

取材をしているときに気を付けている事や意識していることを教えてください。

堤さん:記事を寄稿するメディアのコンセプトに共感した会社さんに取材をすることが多いので、そのクライアントの意図を汲み取ることや意識を合わせることが大事だと思っています。ほかには、取材中、事前に作成した質問項目から少し逸れて、自分の興味が赴くままに聞くことがあってもいいと思っています。余談や脱線した話のなかに、取材対象者のパーソナルな部分が隠れていることもあるので、‘‘余白”のようなものをつくっておくことも必要だと思います。

ありがとうございます。私たちもこれまで記事を書く経験をしてきた中で、クライアントの意図を汲み取るということは大事だなと感じているのですが、その点で重要になるのはやはり経験なのでしょうか?

堤さん:経験は重要だと思います。もちろん最初は質問項目に沿ってきれいに進めることから始めるのがいいと思いますが、場数を踏んでいくとその場の空気感や相手の表情を観察する余裕が生まれ、「この話伝えたいんだな」「もっと話したいんだな」と分かるようになると思います。目線や表情が変わった瞬間を見逃さないことも重要です。

その空気感を感じ取るのが難しいんですよね、、

堤さん:確かに難しいですよね(笑)。どうしたら相手の懐に入れるかなというのは私も日々悩んでいます。取材だけでなく単純に会話の場数を増やすのもいいと思います。誰とでもいいから話してみてその時々の空気感を感じて体で覚えることも大事だと思うようになってきました。例えば少し距離のある先輩とか、私の場合、普段関わりが薄い仕事仲間とか。そういう人と仕事以外の話をしてみて空気感をキャッチしてみる。そんな意識をもって会話してみるといいかもしれません。

他にも気を付けていることはありますか?

堤さん:取材前の準備には力を入れています。私は準備万端な状態で取材に臨みたいタイプなので「こういう質問をしたい」という項目はすべて全て書き出します。取材シートにも手書きで細かい質問やこれは聞かない方がいいかなという質問もとりあえず書いておいて、雰囲気を見て聞いてみます。取材で間が空いてしまう場合もあるので、そういう時にも質問を投げかけられるようにしておきたいです。

準備大切ですよね、、僕たちも実感します。。

堤さん:仕事は準備だと思います。インタビューに限りませんが、取材時間の2倍3倍は準備にかけろといいますよね。今でも欠かさず準備しますが、最初の方は特に心がけていました。準備していないとが不安で怖いんですよね。その恐怖心をぬぐえるように準備は欠かさないようにしています。

その恐怖心はどこからやってくるのでしょうか?過去の失敗だったりするのでしょうか?

堤さん:そうですね。大きな失敗ではないのですが、取材が終わった時に「何であれ聞けなかったんだろう」「あの話をされたときにこの質問が出来なかったんだろう」という反省はほぼ毎回あります。そういう反省は必要ではありますが、後悔をしないためにも準備は大切だと思います。また、いい原稿をつくるためのプレッシャーもありますね。いい原稿をつくるためにはいい取材でなければならないと思うので。悪いプレッシャーではないとは思いますが、その気持ちも大きいです。

どんな人にも「魅力」がある。そしてその「魅力」を見逃さない。

インタビューの様子: 左)堤さん、右)学生記者

堤さんが書いた記事の中で「恋するように話を聞く」という記述がありました。そうするためには相手の魅力を見つけることが必要だと思うのですが、魅力を見つけるために意識している事などありますか?

堤さん:「この人の魅力はそこにあるのだろう」という探求心を持つことですね。普通に会話してるだけだと気付かないところも、見つけようと意識すると見えてくると思います。そして取材を続けてきたなかで魅力がない人なんていないと実感するようになりました。

取材をしていくなかで、堤さんは相手のどのようなところに魅力を感じるのですか?

堤さん:私は、自分とは異なる発想や考え方に魅力を感じます。特に私がインタビューすることが多い経営者や起業家の方は、自分にない部分をたくさん持っていて勉強になります。インタビューをするなかで、「こんな考え方があるのか」という魅力を見つけられると、とても嬉しいですね。

ライター業のやりがいは何ですか?

堤さん:先ほどの魅力の話にも通じるのですが、年を重ねていくと自分の考えをアップデートできない難しさを感じることがあります。でもライターは、自分にはない価値観を持つ人との出会いがたくさんあり、いろんな方の考え方にダイレクトに触れられる素敵な仕事です。自分の考えをアップデートしていくことが出来ることが、自分のやりがいになっていると思います。業界や役割が同じでも、環境や境遇によってそれぞれ違う考え方と個性を持っている。この仕事を始めて、その素晴らしさをより感じるようになりました。

先ほどお話に出てきました「いい原稿・いい記事」はどのようにすればできると思いますか?

堤さん:フリーランスになって強く感じたのが、ひとりでやっていると成長機会がかなり少ないということです。やはり第三者に読んでもらうこと、フィードバックを受けて改善点を見つけ、それを次につなげることが成長に必要だと思います。リスナーズではライターが執筆した原稿に編集者が赤を入れます。単なる校正ではなく「この文章をこの章に持ってきたら原稿全体が良くなるのではないか」など原稿の校正に対する提案もし、クオリティアップを図ります。フリーランスでやりつつ、プロの編集者に見てもらい、スキルアップをしていけるので、こうした環境に身を置き、たくさんの人に読んでもらうことは大事だと思います。

読み手の視点で記事を編む、編集の仕事

堤さんはリスナーズで編集の担当もしているとお聞きしました。編集の時はどのようなことに気を付けているのでしょうか?

堤さん:編集の時は‘‘読者視点”を大事にしています。クライアントさんがこの記事を読んだときにどういう印象を抱くか、読者の立場で編集するようにしています。経営者の方のお話はどれも面白いので、ひとつのことにフォーカスしてしまい、内容が偏った原稿になることがあります。「取材でのこの話が面白かったから、これを原稿の核にしよう」という考えになることも分かるのですが、伝えたい事を読者が理解できるのか、記事や掲載メディアの方向性とずれてないか–そうした視点で見るようにしています。

ライター業務をしているときの堤さんと編集をしているときの堤さんの視点は違うのでしょうか。

堤さん:書く時も読者の視点は大事にしています。自分の興味がある部分や得意分野は、ついボリュームを多くしてしまうときがあるのですが、そういう時に一度立ち止まってフラットな視点で読みます。執筆中はどうしても書くことに集中してしまうので、書き終えたときに読者として読んでみて、バランスを整えていきます。

なるほど。私も深夜に勢いでレポートなどをするのですが翌朝見返して「?」が浮かぶことがよくあります。だから一晩寝かせる、時間をおいて確認する事は大事なのかなと感じています!

堤さん:分かります。私も子供を寝かせたあとに執筆するのですが、深夜のテンションに身を任せてしまうことってありますよね(笑)。深夜でなくても、「時間を置く」「記事を一度寝かせる」というのは良いと思います。

挑戦すること、そして人と繋がること

何かに挑戦したい、夢を持つ若者へのメッセージをお願いします!

堤さん:あるフリーランスライターの方が「若いときは、いやだと思うこと以外は何にでも挑戦してみるべき」といっていて、私もそ通りだなと思っています。もちろん好きなものが「これだ」と決まっているのであれば、猪突猛進で進むべきでしょう。でもそんな人ばかりではないはずです。実際私は、10代、20代前半は好きなものややりたいことが定まっていませんでした。本当にやりたくないことはやらなくていいですが、それ以外のことにはチャレンジしてみると新たに好きな物や自分に向いているものが見つかるかもしれません。やってみようかなくらいの気持ちで何事にも挑戦することは大事だと思います。若いうちの失敗は失敗ではなく財産になります。

最後に座右の銘を教えていただけますか?

堤さん:私の座右の銘は「袖振り合うも他生の縁」です。これは、どんな小さなことも偶然ではなく宿縁によって起こるという意味の言葉です。ライターはたくさんの人と会い、話を聞く仕事ですが、それもいろいろな縁が重なっているからこそ、好機に恵まれているのだと感謝しながら仕事をしています。私のライター人生と通じる、すごく好きな言葉です。

Zoomによるインタビューの様子

学生記者として感じたこと。これから。

今回はライターの大先輩である堤さんにインタビューできたことでためになる話、ライターの心得をたくさんうかがうことが出来ました!仕事のやりがいに関して「自分にない価値観に触れて自分をアップデートする」という話がありました。また、プロである堤さんでもインタビューの前には恐怖心を抱えたり、空気感をつくることに対して私たちと同じように難しさを感じていたりすることに少し安心もしました。そして、日常から空気感をキャッチする事、魅力を見つけるために観察することなど小さな意識の積み重ねが経験値となり成長につながると知りました。この意識の差がプロとアマの違いなのではないかと感じました。ライターとしての知見とたくさんの気づきを得ることが出来た特別な機会を頂けたことに感謝いたします。今回のインタビューで出てきた「仕事は準備」「日常会話から空気感をキャッチ」など多くの学びを心に刻んでこれからの活動に活かしていきたいと思います。改めまして、インタビューを受けてくださいました堤真友子さん、またこのような機会を与えてくださったリスナーズ株式会社様本当にありがとうございました!

<執筆者>  福知山公立大学地域経営学部地域経営学科3年 渡部大陸 、高島駿斗、森中公太
<インタビュアー> 渡部大陸
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