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Style note 05:株式会社Mind Leaf/株式会社Lifexia/株式会社きみとなり代表 飯渕 弘成さん〈自分が何を得られるかではなく、何を与えられるのか考える(後編)〉

  • 母校のため、若者のためにできること
  • 飯渕さんが目指す新たなリーダー像と学生時代
  • 座右の銘とチャレンジしたい人へのメッセージ
  • 飯渕さんから学んだこと
  • 番外編! 株式会社きみとなり 役員の2人にインタビュー!

今回も前編に引き続き飯渕さんのインタビューより記事を作成しています。後編となる今回は飯渕さんが行っている学生起業支援について詳しくお話を伺いました。前編を見てない方は是非前編からお読みください!

母校のため、若者のためにできること

学生記者:飯渕さんは学生起業支援も行っていると聞いています。具体的にどのようなことを行っているのかお聞かせいただきますか。

飯渕さん:現在は、福知山ではNEXT産業創造プログラム参加生の支援、東京では母校である自由学園の学生の支援を行っています。福知山ではLifexiaでインターンシップ生を受け入れ、学生の新規事業を生み出す過程でのサポートを行っています。東京にある自由学園では、Mind Leafの実績型インターンシップという制度で学生を引き受けて、実際に企業の営業部・ブランディング部など部署分けをし、自分が進みたい進路が本当にあっているのか体験してもらい、各々が商品を開発して、会社で販売し続けるという活動をしています。有名大学でも商品案を考えることはありますが、プレゼンテーションをして評価を受けて終わるのが一般的です。しかしこの活動では学生自身で作った商品が会社でこれからも販売し続けることになるので、学生は「コンセプトを考え、失敗を経験し、成功していくらの売上を生むことが出来たか」ということが語れるようになり、強力なガクチカを獲得出来ます。母校がすごく有名でもなく、大きくもなくとも自分たちの感性を活かしてアピールをして自分が進みたい道に進めるようなひとつの推進力になるように、実践型インターンシップというものを立ち上げました。

キャンプファイヤーより引用
【学生起業プロジェクト】自然素材で肌に寄り添うスキンケアを届けたい! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

この活動を1年間取り組んだ結果、この実践型インターンシップを自分たちが主体となって行いたいという学生が3名出てきました。私から学んだことを今度は他の学生に伝える立場になってマネジメントをし、さらには会社を立ち上げたいと言ってきたのです。とても驚きましたが、若干二十歳の学生でありながら自分たちのガクチカをつくりたいという理由ではなく、他の学生がしっかりとインターンシップで実績を積んで自信をもって将来を歩んでほしいという利他性を語ったからこそ学生ベンチャー設立のサポートをすることに決めました。そこでクラウドファンディングを行い、目標金額を達成したので法人化をすることになりました。今後はその法人で世代ごとの肌の悩みの解決と、実績型インターンシップの2本の柱で事業を進めていくのでぜひそちらの活動にも注目していただきたいです。

学生記者:前半の話で出た学生の意見を抽出する戦略や方法論と実績型インターンシップの話がつながりました。飯渕さんのお話から学生の教育へ注力する強い思いを感じました。しかし、ビジネスで利益を上げるには大学生では足手まといになってしまう部分があると思います。飯渕さんの中で大学生をどう戦力としてとらえたのですか。

飯渕さん:そうですね。良いことを抽出できるセンスがある学生は戦力になりえると考えました。そのセンスを発揮させるためにどの分野に学生を配置するかは私自身の力量やセンスが必要なので、その部分を自分自身で磨くこと、モチベーションを見抜き学生を信じるということが必要なのだと考えています。また、頑張ってくれることがうれしくなったり学生からは活力を与えられたりうまくいったときの笑顔を見られたりすることが私自身の原動力、モチベーションになっています。

飯渕さんが目指す新たなリーダー像と、学生時代

学生記者:大学生と関わることが飯渕さんに好影響を与えているのですね。次の質問からは飯渕さんのパーソナルな部分について深掘り出来たらなと思います。飯渕さんはご自身のスキンケア事業に加え学生の支援など手広く活動されていますが、ご自身がもつ理想の社長像はありますか。

飯渕 弘成さん

飯渕さん:私は社長をやっていくうえで周りの人、関わっていく人に対して‘‘センスメイキング‘‘が大切になると考えています。センスメイキングとは、これまでの自分の経験や人柄から出てくる引き出し、そしてその引き出しをどのように結び付けて不確実な未来に進んでいくのかのセンスを見てもらい、仲間に腹落ちしてもらえる状態を指します。私がこうしたい、と考えたときに「この人についていきたい」と信じられる、仲間に安心してついていきたいと感じてもらえる存在であることが社長には必要だと思います。

学生記者:現在は社長として活動されている飯渕さんですが、学生時代は今の立場にあると考えていましたか。また、どんな学生時代を過ごしたのでしょうか。


飯渕さん:学生時代はとにかく野球とクラシック音楽(ピアノとフルート)が好きな学生でした。自由学園は特殊な学校でたいていの人がスポーツと楽器が出来たんです。また生活力を磨くために全寮制の生活を送っていました。寮では高校3年生が中学1年生の面倒を見ます。そういった特殊な環境にいながらも自分が楽しいと思えること、夢中になれることを突き詰めていました。いまでも週に1回草野球をしますし、音楽は楽器を演奏したり教えたりしてリフレッシュにもなる大切な存在です。福知山が好きな理由としてストリートピアノが多いこともありますね。福知山市では足立音衛門のストリートピアノを周って弾かせてもらったりしています。

学生記者:今日伺った話の節々から福知山との相性の良さを感じますね。(笑)また、一連の話を通じて飯渕さんの中での活動目的が、マネタイズということよりも、地域や人に貢献したいという気持ちが大きいのではないかと思いました。

飯渕さん:人という存在を意識するからこそ地域をよくしたいという気持ちが生まれてきます。地域にある価値を顕在化させる人を育てるということが今の私の使命だと考えておりその両方が自分の中でうまく力を出せれば自然とビジネスという形で回っていくのだと思います。

座右の銘とチャレンジしたい人へのメッセージ

学生記者:飯渕さんの現在の活動の核のような部分に触れることが出来たような気がしました。さらに深掘りするために飯渕さんの座右の銘をお聞きしてもよろしいですか。

飯渕さん:私の座右の銘は「日進月歩」です。若いころから私の中身の変化は多少あったとしてもこの言葉が私の軸になっています。社長ともなると、注意をしてくれる人、アドバイスをしてくれる人が少なくなりました。だからこそ関わる大学生からも学び取ろうとする意識が必要になってきますし、それが新しいリーダーシップ像としても必要になってくると考えます。より若い人から自ら学び取ろうとする姿勢を忘れないように、周りの人のいいところを取り込んで謙虚に成長していけるようにという気持ちを持っているので日進月歩、今でも一歩ずつ前に進めるように心がけています。

学生記者:では最後に今から起業したい、新たなチャレンジを始めたいという人に向けてメッセージを一言いただけますか。

飯渕さん周りの人・年上の人を遠慮なく頼ってください。そうすることで自己実現がしやすくなります。そして、いち早く自己実現を達成してつぎは頑張ろうとしている年下、後輩を助けてあげてください。助ける・助けられる両方のエネルギーが大きければ大きいほど連鎖のパワーが大きくなって社会が活気づいていくと思います。よって、周りを頼って自己実現のためには何でもするくらいの気概を持ってほしいと思っています。

学生記者:以上でインタビューは終了となります。お忙しいところインタビューに答えていただきありがとうございました!

飯渕さんから学んだこと

左:学生記者 渡部 と 右:飯渕さん

今回のインタビューを通して、飯渕さんが利他性を追求した結果が事業として表れている、成功に導いているのだなと感じました。これからのビジネスでは、従来のお金儲けを目的とした資本主義ではなくいかに社会的価値を与えられるかが求められると言われています。私も、飯渕さんがおっしゃっていたように自分が何を得られるかではなく、自分が何を与えられるのか考えて生きていく人になりたいと思いました。また、飯渕さんが質問に答える姿勢や一言においても言葉を選んでいる様子から、謙虚で誠実な印象を受けました。このような方が周りに信頼されてリーダーになるのだなとしみじみと感じました。今後も飯渕さんの活動、また飯渕さんが起業支援された学生たちの活動に注目です。

番外編! 株式会社きみとなり 役員の2人にインタビュー!

今回お話を伺った松島希望さん(左)と、原田朋子さん(右)
  • 株式会社きみとなりってどんな活動をしているの?
  • 役員2人から見た飯渕さんとは
  • お2人の座右の銘

飯渕さんのお話を聞いて、同年代で起業した学生役員からも話を聞いてみたくなった私達は、株式会社きみとなりの役員である松島希望さん、原田朋子さんにもインタビューを行いました!

株式会社きみとなりってどんな活動をしているの?

学生記者:株式会社きみとなりの起業理由と、事業内容について教えてください。

松島さん:簡単に言いますと、‘‘学生自身が商品を開発する、そしてその商品を「Healtic」というブランド名で販売する‘‘という事業を行っています。私たちはもともと飯渕さんの会社であるMind Leafのインターン生として飯渕さんと出会いました。インターンでは飯渕さんが私たちにとっての強いガクチカが出来るようにキャリア教育をしてくれていましたが、その活動を私たち学生が主体になって取り組むことで今度は私たちが自由学園の学生・生徒のキャリア教育をしていきたいと思いました。

原田さん:自由学園は個人の魅力を伸ばす学校なので、それぞれが強い個性と武器を持っています。インターンシップの中でその個性を活かす経験をしてもらい、就職する際に少しでも自身を持ってアピールしてほしいので、キャリア教育事業を自分たちの手でマネジメントしていきたいと思いました。

キャンプファイヤーより引用
【学生起業プロジェクト】自然素材で肌に寄り添うスキンケアを届けたい! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

学生記者:自由学園の学生・生徒のためという「利他性」が大きな動機となって事業化したことがよくわかりました。事業としては飯渕さんが行なっていたパーソナライズソープ事業のカーブアウトというかたちになるのでしょうか。

松島さん:そうですね。販売するものや事業形態でいえば飯渕さんが持っている工場とのコネクションや知識だったりをカーブアウトという形で間違っていないと思います。しかし、株式会社きみとなりは自由学園の学生の特徴を活かせるようなキャリア教育事業をしたいという企業理念がMind Leafとは異なります。私たち学生が商品を考える意味というのは、学生自身がほしい商品をつくるというマイノリティを商品化するという部分にあると考えています。

学生記者:事業を進めていくうえで、飯渕さんからはどのようなバックアップを受けているのですか。

原田さん:現在は事務やビジネスの面でサポートをしてもらっています。飯渕さんがスキンケア商品の専門家なので学生がもつ「こういう商品にしたい!」を叶えるために「こうしたらいいんじゃないのかな」というように学生の夢を現実的に起こしてくれるようなアドバイスをいただいています。

役員2人から見た飯渕さん

学生記者:学生から見た飯渕さんはどのような人なのか教えてください。

松島さんひとの長所を見つけるのがうまい人だなと思いました。たった数回の会話で相手の特徴をつかみ、キャリア教育事業をしていくうえでそれぞれの特徴に合わせて配置していることを知ってすごい人だなと感銘を受けました。

原田さん:社会人だなぁ、ですね。(笑)私の身近にいる研究者、芸術家はこだわりが強くて自分が納得がいくまで突き詰める人が多いのですが、飯渕さんは頑固さがなく、適応能力が高いので社会との折り合いを付けられる人なのだなと感じました。そういう方は今まで出会ったことがなかったので新鮮かつ、多くの学びを得ることが出来ています。

お2人の座右の銘

学生記者:最後にお2人の座右の銘を教えてください!

松島さん:「明日やろうは馬鹿野郎」です。最近行動力に関する本を読んで、やろうと思ったことはガンガン行動に移していかないとそれに対するハードルが日に日に高くなっていくことを知りました。また、事業を自分事として捉えると今まで見えてこなかったものが並み之足でではなく自分に迫ってくるのでタイムマネジメントの大切さを痛感しています。

原田さん:私の座右の銘は「次の一手を探しましょう」です。これは『夜は短し歩けよ乙女』という作品で出てくる女の子のセリフなんですけど、悩んでも仕方のない事が多いのに自分自身中に中にと考え込んでしまうタイプなので、意識を持っているうちに行動したいなと思ってこの言葉だなと思いました。

学生記者:以上でインタビューは終了です。ご協力いただきありがとうございました!

お2方とも受け答えがしっかりしていて、いち企業の役員としての責任を持ちながら丁寧に発言していました。同年代として刺激を受けるいい経験になりました。ご協力ありがとうございました!

<執筆者>  福知山公立大学地域経営学部地域経営学科2年 渡部大陸 、高島駿斗、森中公太
<インタビュアー> 渡部大陸
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